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こけしづくりの達人/柴野正和
こけしづくりの達人/柴野正和
 

 
「私は、北区の活性化のためにこけしを作り続けています。」
こけし職人の柴野さんは数年前、体を壊してそれまでやっていた大工を辞めた。
そんなとき、偶然旅行先の東北でこけしに出会い、こけしを作り始める。
時を同じくして、北区出身の世界桂冠詩人 山本伸一氏の作品「我喜多区 笑いの声もいついつも陽気な語らいまたいつも」という詩にヒントを得て、珍しい笑ったこけしを作れば、北区のマイナスイメージを払拭できるのではないか?と考えついたそう。

 
■木片子(こけし)の由来は何であれ
本来は、「素朴な味わいの、樹の片割れを使ったおもちゃ」というニュアンスが近い。
もともと子どものおもちゃだった“木片子(こけし)”は、諸説はあるが、お百姓さんの子どもが、畑仕事の最中に退屈せぬよう、木の切れ端(木っ端)で作ったというのが始まりだそう。そんな素朴さや暖かさがにじみ出る
木片子(こけし)作りを目指し、1日30体以上のこけしを作りつづける。

■こけしの作り方
木片子(こけし)作りには、丸太をたたきこんで八角にし、最後にやすりをかけて(カンナで削って)いくという作業が基本。材料の木は主に、東北産のミズキやサクラを使う。
その理由は、「仕上がったときの肌が、美しく仕上がるから。」 色も塗りやすいそう。
古くなるとあめ色に変わり、そのアンティーク風の木片子(こけし)コレクターも多い。

■表情が全ての人形づくり
柴野さんの作品は、そのほとんどが、こけしの口の部分に丸い穴が開いているもの。
形も、伝統的な頭と胴体からなるものから、球体に表情だけがかかれたものまでさまざま。
「わたしはこけし界の異端児ですよ」と笑う柴野さんは、どんな形・大きさや表情であっても、こけしにストーリーを見出せるような作品を作りたいと語る。
こけし

■子どもから教わること
木片子(こけし)作りをするだけではなく、木片子(こけし)の絵付けを教えることもある。学校の課外授業で教えたり、柴野さんのアトリエで作業工程を披露したり。
そんな行為が、「作品づくりにより厚みを持たせてくれるし、より表情豊なこけし作りに役立っているのです。」と語る。特に子どもは、思ったことを芸術的に木片子(こけし)にぶつけてくるので、ユニークな表情が出来上がる。真っ白な心で作品づくりを進めるということが、どうやら大切なことらしい。
教室風景

■転んでもタダでは起きない!?
さすがは職人の工夫を思わせるエピソードを教えていただいた。壁に仲良く並んだ2体の木片子(こけし)。下はレターラックがついている。壁掛けの木片子(こけし)は珍しいので、それを作ったきっかけを尋ねてみると、木片子(こけし)の胴体を落としたときに半分に割れてしまったものからヒントを得て、壁掛けにしよう、と思いついたという。
少しの工夫でまったく別の作品が仕上がる。そんなことをいつも考えながら、誰かに喜んでもらえるものを作る。それには、ひとつひとつに命を吹き込もうと、木片子(こけし)と向き合うことが必要。アイディアはどこにでもある。そこから、どうやって柴野流に仕上げていくか、柴野さんの試行錯誤は終わらない。
取材/文 佐藤有香
 
映像資料はこちらから   映像(1)映像(2)
 

柴野 正和(しばの・まさかず)

こけし職人歴15年。以前は大工の仕事をしていたが、体調を崩し、こけし作りに専念するように。
柴野さんの作品は、手にとるとホッとしてしまう、柔らかい雰囲気のものが多い。笑うこけしもその一例。
現在は、来年の大河ドラマは『忠臣蔵』なので、それに合わせて登場人物のこけしとキーホルダー作りを進めている。
「忠臣蔵の近藤勇を笑顔にさせてしまおうと考えているんだよね。」
柴野和正