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餡作りの達人/丸山高幸
餡作りの達人/丸山高幸
 

 

トントン…「ハイどーぞー。」と…丸山社長が出て来られた時は、びっくり!タンクトップ一枚のお姿で、私はどこをみたら良いのか、少し照れてしまったのですが、お邪魔させて頂きお話を伺っているうちに、何と気さくでお優しい性格の方だろうと思いました。帰る時には、「いやぁ?またいつでも来て下さい!」「また来ますね!」という感じに打解けられ、ニコニコしながら帰路につきました。

■創業大正十四年「王子製餡所」
昔はもっと横に広く大きかったんですが、道路の拡張工事があり、縦型の工場にされたとのことでした。一見狭くなってしまい不便かと思いきや、そこにはアイデアがいっぱい詰まった、餡作りの仕組みがありました。地下?1階は製餡所。2階は製菓工場となっていてまず1階で煮られた「あずき」が地下の圧縮機械へ繋がるように、そして出来上がった「餡」は地下の冷蔵庫で保存され、エレベーターで出荷できるようになっていました。まさに「カラクリ餡屋敷!!」アイデアがいっぱいに詰まった工場には驚きでした!

「あずき」を炊く鍋
【1つで300kgの「あずき」を炊く鍋×3つってことは1トン近くです!】
 
■先代からの歴史を引継ぐ
大学を修了された後、家業を継がれる事も無くサラリーマン時代は、温泉の設備工事や工事の現場監督等を経験されてきた丸山さん。ある日お父様がひとりでは心もとなく感じ、ご子息である高幸さんを呼び寄せられました。しかし3?4年悩む日々が続きましたが、家業を継ぐ決心をし戻って来られた丸山さんは、徐々に製餡の世界に引込まれていくことになります。でもサラリーマン時代の経験もムダでは無く、偶然「ポンプ」や様々な「機械」を使いこなしていた知識が礎となり、製餡所で使われる数々の機械に馴染んでいったのです。

■去年8月に他界されたお父様
先代のお父様には、もっと学んでおきたかったと思う事が山のようにあり、「やってるその都度に出てくる仕上がりのチェック、一番何より出来上がりを確認して判断して貰えるジャッジマンを失った事が大きい」と丸山さんは言われました。

スィートポテトの焦げ目を付ける大型オーブン ←【スィートポテトの焦げ目を付ける大型オーブン】


「餡」というのは「煮上がり」が難しい。季節や天候にも敏感で、少しの事で「煮上がり」が変わる。柔らかすぎても固すぎてもダメ。お客さまの好みに合わせるのが難しいんですよ。  …と丸山さんは、白餡・粒餡・こし餡・「餡」

「餡パン用・最中用等、様々な用途に応じた餡を菓子屋やパン屋に卸しています。その他では和菓子(餡ドーナツやどら焼き、紅白まんじゅう等)も作っているんですよ。と見せて頂きました。美味しそう!!

【(株)王子製餡所で作られているお菓子の数々!】→ (株)王子製餡所で作られているお菓子の数々!

■ 最近は甘さを控えている
あずきにはワイン等に含まれる、ポリフェノール含有量も多い。しかもあずきに含まれるポリフェノールは熱に強いので、美肌効果にも絶大であるそうです。丸山さんは「いつも買いに来られるお客さまを見ているんですが、美人が多く肌もつやつやモチモチしている方が多いんですよ。」と言っていました。和菓子は健康食品でもあるんですね。


■洋菓子vs和菓子
中国(天津省)産・アメリカ産・カナダ産・オーストラリア産など市場に出てくる「小豆」は一通り色々試したが、やっぱり日本の十勝産小豆の風味には勝てないらしい。全て試すというのも、やっぱり職人のこだわりが感じられる。

しかし洋菓子が溢れる昨今、和菓子という自分の国の食べ物が薄れつつある。お彼岸やお盆など日本古来の生活文化が薄れると同時に食文化も衰えていってしまう。もっと子供の頃から「日本」を伝ええるべきでないか…と危惧されている。

日本人は結構寛大な性質はいいけれども、何でもかんでも取り入れてしまい、日本の文化そのものが、どんな文化だったかがわからなくなってしまっている。着物等も典型ですよね。と言われ、ドキっとしました。私達はこれからの未来へどういった「日本の文化」を伝えるべきなのだろうか…。


■「餡」の作り方
・「こし餡」
小豆→煮る→皮を取る→圧縮→さらし餡(生餡)さらさらの粉→砂糖(上白糖)→煮→餡

・「粒餡」
小豆→煮る→砂糖

餡は朝6時頃から作る。出来上がった餡は次の朝4時から配送担当の方が、様々なところへ出荷する。


■その他の取り組み
王子養護学校の生徒さんが見学に来られたりしていますよ。また仕事の多い時期はお手伝いに来て貰ったりもしています。今は洋菓子に押されてきている事もあり、難しくはなっていますが、学校給食や新規市場がひらければ、仕事も多くなりお願いできるんですがね。と意欲的でした。

年期の入った鍋や機械
【年期の入った鍋や機械を
大事に大事に使われている。】

取材・文 福田 理恵


 
丸山 高幸(まるやま たかゆき)

○昭和41年3月7日 東京都北区生まれ
○職歴:8年(2003年12月現在)
○役職:株式会社王子製餡所
○〒114-8586 東京都北区王子本町3-10-1
○TEL: 03-3900-5576/FAX:03-3906-5576

餡の達人/丸山高幸