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<<< まちを元気にする達人たちFILE074 三井 健夫>>>
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東京北区王子。北本通りと環七通りが交差する騒がしい新神谷橋を離れ、比較的空の広い静かな住宅地にあるマンション。サーフボードを作り続けて30年。有限会社M-fiberglass社長、三井健夫さんを訪ねた。 ■音楽 三井さんは現在53歳。取材にお伺いした3月5日が偶然にも誕生日。初対面でなんと言って良いのか分からず、口篭もってしまったので、この場を借りて、おめでとうございます! 三井さんは生まれも育ちも北区王子。中学生の頃からバンドを組み、ドラムを担当、インストゥルメンタル音楽をなさっていた。中学3年から20歳ぐらいまで、ディスコやクラブでドラムを叩いていたという。本気で音楽の世界で生計を立てて行こうと思っていた三井さんは、クラブなどでの演奏のかたわら、18歳から2年間、日本ジャズ音楽学院に通う。「インストゥルメンタルだけじゃ喰って行けないので、当時全盛期だったグループサウンズを、ミリタリーファッションで演奏してました。」そんな折、サーフィンと出会う。 ■サーフィン 食べて行くには歌謡曲を演奏しなければならない。単調なリズムで、決められた音を出して行く。それが嫌だった、耐えられなかった。 サーフィンの面白さをしってしまった三井さんは、ドラム演奏のみちを捨て、サーフィンにのめりこんで行く。 ■雷族 「雷族だったんですよ。」 ? 雷族とは? 広辞苑を引くと「(けたたましい音を立てることから)暴走族のこと。」とあるが、 「暴走族じゃないですよ。アイビーの格好をして、七三に分けて、ボタンダウンのシャツを着て、サーフボードを車に積んで銀座へナンパをしに行っていました。」そういう人たちの総称らしい。 「最初はカッコいいなあと思って、ファッションから入ったんですよ。」 取材にお伺いしたのは昼下がり。そばに奥さんがいらっしゃる。私個人的には、当時の「遊び」について、掘り下げてお話を伺いたかったのですが…。 ■魅力 アマチュア時代に全日本の大会で3位になった後、プロテストに合格。ロングボードのプロとして、東京のシニアチャンピオンにもなったことのある腕前。経験の浅い頃は、気候の変化が読めず波にさらわれ、勝浦から御宿までパドリングしたこともあるという。一番大きな怪我は、ハワイで6メートルぐらいの波にまかれた時だった。 「ハワイは、波のないフラットな状態から、いきなり大きな波が来るんです。その時は、沖に小さな盛り上がりが見えたんですけど、気付いた時にはもう遅くて、必死に逃げたんですがダメでした。」 多くの危険が伴うスポーツ。その魅力は? 「波は気まぐれで、同じ波は二度と来ない。一瞬一瞬の判断で波を征服して行く感じが好き。それと自然を相手にする喜びです。」 あまり多くは話していただけなかったが、サーフィンの話は、特別楽しそうに話して下さったように窺えた。「まあ、やってみなよ。分かるから。」そんな風にも聞こえ、サーフィンに興味を持たせて下さった。 ■開店 1975年にサーフショップをオープンする。現在東京には300件以上のショップがあるそうだが、当時はたったの8件。サーフィン人口も少なく需要もないので、オートバイの部品などの製造販売を手がける家業を手伝いながら、やりくりしていたという。 「ただ製品を売ってるだけじゃつまらない。」 23年前に工場を設立。 「サーフボード作りは、形、デザイン、次から次へと新しい物が出てくるのが面白い。」 サーファーが作るサーフボード。カスタムオーダーで、ビギナーからトッププロまで、一人一人にあったベストサーフボードを提供している。現在は、カリフォルニア、フロリダ、オーストラリアのシェイパー(ボードを削る職人)と契約。地域の特徴を生かしたサーフボード作りもしている。詳細はホームページをご覧になってください。 最近の流行は、7,80年代のものらしい。 「最近の7,80年代の音楽ブームが、サーフボードの流行に反映されている。」 ■製造工程
■サーフィンを通じて 三井さんは、サーファーの育成にも尽力なさっている。これまでにも数々のプロサーファーを育ててきた。それだけではなく、少年院を出た若者、ヤクザだった人、自閉症の子、様々な人を、自然とサーフィンを通じて更生させてきている。まさにもの作りの中で人作りをなさっている。 座右の銘は、 Go for it. Have a good surf. 「何事にも思い切りが良くないといけない。」 サーフィンを始めようと思っている方もそうでないかたも、思い切り良く、お店の訪ねてはいかがでしょうか。 |
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取材・文 三島 浩 |
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